特殊学級
特殊学級に行っている中一生徒。社会に出てから最低限必要な計算は身につけさせたいと考え、接している。ある日、「2年になったら普通学級に行きたい。」思わず「本当か?」うなずく彼。「それじゃあ、また宿題を出すようにするので、必ずやるように。」とりあえず、手始めに1日10分でできる計算を、1週間分渡す。
1週間後。宿題を見る。2日分しかやっていない。本気ではなかったようだ。
一日10分の宿題。それさえ出来なければ、とても普通学級どころではない。「普通学級に行くために、宿題を必ずやる。」か「普通学級を諦める。」か、決断を迫った。
出てきた答えは「諦める。」
ちょっと残念だったが、とにかく最低限の計算は週一の授業で身につけさせよう。そう改めて決意した。
個別指導じゃないとできないこと
バイトしはじめてしばらくたつと、集団授業じゃできないことが見えてきた。そのひとつが、「生徒に音読させる」。
実質集団授業じゃ長い時間音読させるのは不可能だ。最初は英語ではじめた。教科書本文を全部、最初は一文ずつ私の後について。だいたいできたら、生徒一人で音読。間違えがあったら、その場で訂正。そして日本語訳も言わせる。なんて感じで。
そのうち、小六の子に、国語の教科書を音読させた。特殊学級にいる子だが、30分はかかる長い文章の物語を、一気に音読した。私もひたすら間違えを指摘し続けて。
一般的に先生が問題文を読みながら説明するが、生徒に問題文を音読させてみるようになった。これも生徒も集中して、内容を把握することができて良いようだ。
まわりの先生を覗いてると、そこまで長時間音読させているのは見たことがない。が、私はたいへん成果が上がっていると感じる。特にかなり勉強が苦手なタイプには。
夜更かし
小六男子。H君。
特殊学級に通っている。
漢字の書き取りは、小2ぐらい。
理解力もあるし、90分授業を続けてできる集中力もある。
なぜ、特殊学級に行くような状況になっているのか、まだわからない。
家での様子を聞いてみた。
「何時ぐらいに寝てるの?」
「1時か、2時。」
「夜の?!お母さんに怒られない?」
「あんまり。」
「何やってるの?」
「ゲーム。」
夜更かしは良くないよな。とりあえず、12時には寝るようにしよう。
と、言うと。
「休みの日も?」
「休みの日は何時に寝てる?」
「朝の6時ぐらいとか。」
マジかよ?何といっていいのかわからず、急に辞めさせようとしても、約束守らないかも、と休日なとりあえずスルーすることにした。
ゲーム、というのも、ネット上の仲間といっしょにやるらしい。
全くそういったものにうとい私。
少しは、どんなものなのか覗いてみるか?
音読
最近、音読にはまっている。
もちろん、「自分が」ではなく、生徒にさせることだ。
きっかけは英語。
単語の綴り、発音、意味。これがつながらない中二生徒、R君。特に、発音ができない。私の後に単語の発音をし、覚える、というのが授業の中心になった。
単語が発音できるようになったら、教科書本文を私の後に読ませる。概ねできるようになったら、自分で全部音読させる。そんなパターンになった。
集団授業より授業料の高い「個別指導」。集団授業ではできないことをやらないと意味ないな。そう考えてきた。音読する生徒を先生が集中して聞き、読み間違えがあったら逐一指摘する。これをたくさん毎回やるって、集団授業では不可能だと気づく。これって、すごい贅沢なことではないかと。
最近では、英語だけでなく、国語、社会でも音読させる。小6の子に国語教科書を音読させたら、20分ぐらい飽きずにできた。本人も充実感がある様子。
音読が大切、と昔から言われてきた。私も高校生の時、古文の先生に言われ、家で音読していた。ただ、ひとりだと、読み間違えをチェックできない。それを先生がチェックできる個別指導。その素晴らしさ、可能性の幅を実感している。
T君
2年近く前、中二の年明けから数学受け持ったT君。
テニス部一生懸命、色黒好青年。
提出する学校のワークを見ると、きれいにちゃんとやってる。
「数学、できるじゃないか!」
感心して、声を上げた。
・・・が、しかし、授業はじめると、
「え?!これができないの?」ということが続く。
学校のテストの点も、30点ていど。
「どういうこと?」
ある日、確信した。
答えを丸写ししていることを。
「お前、学校の宿題、答え丸写ししてるだろ。」
「・・・」
「ちょっと付き合ってれば、そのくらいわかるぞ。」
しぶしぶ頷くT君。
とにかく答えを丸写ししないことを約束させた。
ワークでわからない問題は、教えるから。塾でやっていいから、と。
その時間、ほとんど無駄だから、と。
そのうち、宿題丸写しはT君だけではないことが、わかってきた。
きれいにワークを書いていて、全部丸で付けている場合、アヤシイ。(笑)
影響
「期末テスト、まいりましたよー」としゃべりながら席に着く中二女子、Sさん。
小学校高学年から、すでに3年の付き合い。
週一回、ほとんどマンツーマンで90分一緒にいる。
彼女の場合、2教科なので週二回。
考えてみると、こんな「密」な関係、そうそうない。
勉強についてはさておいて、この子の人生に自分はどんな影響を与えるのだろうか?
そう考えると、ちょっと怖いな。
とにかく、精一杯接していこう。
還暦なったら塾はじめるぞ!
あと数年で60になるただのおっさん。俺のことだ。
3年前、ふと個別指導塾で夜、バイトをはじめた。
はじめてみると・・・、面白い!
これって天職?
「これを本業にしよう。」
本気でそう考え始めた。
「どうやって?」
とりあえず、子供が独立したので、自宅でやる?
胸算用はいろいろ浮かぶ。
そんな計画はともかく、今やっている個別指導塾でのことをブログに書くことにした。
知合いに塾での子供ことを熱く語っていたら、
「面白いですね。ほんと塾で先生やるのが好きなんですね。」
うーん。そのとおり!
あんまりしつこく子供の話ばかりしてると、嫌われちゃうかな?
ということで、ブログに語りたいパワーをぶつけることにした次第。
こうご期待。